開業ガイド

パン屋の売上・損益シミュレーター【2026年版】

パン屋開業。香ばしいパンの香りが魅力的ですが、高額な厨房設備投資、小麦粉やバターといった原材料費の変動リスクなど、特有の課題も無視できません。このシミュレーターは、パン屋経営に欠かせない売上・コスト構造を具体的に可視化し、あなたの事業計画を現実的なものへと落とし込みます。特に、窯の稼働率や廃棄ロスの管理は収益に直結する要素。詳細なシミュレーションを通じ、開業後の安定経営へ向けた堅実な財務基盤を築くための指針としてください。

※ 初期値は業界平均に基づく概算です。ご自身の計画に合わせて各項目の数値を変更してください。

月間売上

181万円

月間コスト

190万円

月間利益(利益率-5%)

-84,680円

損益分岐点売上

195万円

黒字化まであと月 13万円 の売上が必要です

パン屋の損益分岐点は、高額な厨房設備投資による固定費と、小麦粉やバターなどの原材料費の変動費によって大きく左右されます。特に、デッキオーブンやホイロといった機器の減価償却費やリース料が固定費を押し上げ、売上高が一定水準に達しないと赤字に転落しやすい構造です。損益分岐点を超えるためには、製造原価率の抑制、人件費の効率化、そして何よりも安定した販売数量の確保が不可欠です。廃棄ロスを最小限に抑えるための販売予測も、損益分岐点達成の重要な鍵となります。

売上項目

調理パン・惣菜パン売上48万円/月

カレーパン、サンドイッチ、ピザパンなど、調理工程を経て提供されるパンの売上。

菓子パン売上50万円/月

メロンパン、あんパン、クリームパンなど、甘味を特徴とするパンの売上。

食パン・ハード系パン売上54万円/月

食パン、バゲット、カンパーニュなど、日常食や食事パンとしての需要が高いパンの売上。

ドリンク売上(イートイン)11万円/月

イートインスペースで提供するコーヒー、紅茶、ジュースなどのドリンク売上。

ECサイト・通販売上18万円/月

BASEやShopifyなどを利用したオンラインストアでのパンセットや焼き菓子などの売上。

コスト項目

固定費 売上に関係なく毎月発生変動費 売上に応じて変動準変動費 基本額+変動部分
家賃固定費
30万円/月

店舗および工房の賃料。立地や広さによって大きく変動。

円/月
人件費固定費
60万円/月

オーナーシェフ、パン職人、販売スタッフの給与・賞与・社会保険料など。

円/月
原材料費変動費
54万円/月

小麦粉(日清製粉、鳥越製粉)、バター、砂糖、イースト、副材料(具材、フィリング)などの仕入れ費用。

自動計算(売上の30%)
光熱費準変動費
10万円/月

電気代(オーブン、ミキサー、ホイロ)、ガス代、水道代。特にデッキオーブンやコンベクションオーブンの稼働で電気代が高額になりやすい。

円/月
減価償却費・リース料固定費
15万円/月

オーブン(マルゼン、ベイカーズプロダクション)、ミキサー、ホイロ、冷蔵庫などの厨房設備の減価償却費、またはリース契約の月額費用。

円/月
包装資材費変動費
5万円/月

パン袋、紙袋、箱、ラッピング材など、顧客に商品を提供する際の包装費用。

自動計算(売上の2.5%)
販促費・広告宣伝費固定費
5万円/月

チラシ作成、SNS広告、ウェブサイト維持費、ポイントカードシステム導入費用など。

円/月
廃棄ロス変動費
6万円/月

売れ残りや製造ミスによる廃棄されるパンの原材料費。

自動計算(売上の3.5%)
修繕費・保守費固定費
2万円/月

厨房機器の定期メンテナンスや突発的な故障修理費用。

円/月
消耗品費・雑費固定費
3万円/月

清掃用品、事務用品、衛生用品、食品衛生責任者講習費用など。

円/月

業界ベンチマーク

原価率

30%〜35%

パン屋の売上に対する原材料費の割合。小麦粉やバターの国際価格変動に大きく左右されるため、常に監視が必要。

人件費率

25%〜35%

売上に対する人件費の割合。早朝仕込みや長時間労働が常態化しやすいため、効率的な人員配置が求められる。

FLコスト

60%〜65%

原材料費(Food)と人件費(Labor)の合計が売上高に占める割合。パン屋経営において最も重要な指標の一つで、この数値が高いと利益を圧迫する。

家賃比率

5%〜10%

売上に対する家賃の割合。特に駅前などの好立地は家賃が高騰しやすいため、慎重な物件選定が重要。

リスク要因

  • 小麦粉やバターなど主要原材料の価格高騰:国際的な需給バランスや為替変動により、原価率が急激に悪化するリスクがあります。
  • 厨房設備の故障:デッキオーブンやミキサーなどの主要機器が故障すると、製造がストップし、営業に甚大な影響を及ぼします。
  • 人手不足と長時間労働:早朝からの仕込みや重労働のため、パン職人や販売スタッフの確保・定着が難しく、人件費高騰や労働環境悪化のリスクがあります。
  • 大手スーパーやコンビニとの競合:安価なパンや高品質なPB商品の台頭により、価格競争に巻き込まれ、差別化が困難になる可能性があります。
  • 食品衛生法違反:菓子製造業許可や食品衛生責任者の義務を怠ったり、食中毒事故が発生したりした場合、営業停止や社会的信用の失墜に繋がります。

プロのアドバイス

  • 原材料の仕入れ。日清製粉や鳥越製粉など、複数卸業者から見積もりを。国産小麦と輸入小麦のバランス、どこまで最適化できるか。価格変動リスク低減へ。
  • 初期投資は賢く抑えたい。新品のマルゼン製デッキオーブンだけが選択肢ではない。中古品やリース導入も検討。ホイロやミキサーは、状態の良い中古品で十分機能するはず。
  • 朝3〜4時からの仕込み負担軽減。一部商品に冷凍生地を活用する選択肢。品質を維持しつつ、労働時間の平準化、生産効率向上に繋がる。
  • クープの入れ方、窯伸びの調整。製パン技術を活かした独自のパンを開発。食パン専門店ブーム後の市場でどう差別化するか。固定客獲得へ。
  • 日々の販売データはPOSレジ(スマレジなど)で細かく分析。曜日や時間帯ごとの売れ筋を把握し、製造計画へ反映。廃棄ロスを最小限に。これが利益率向上の道。

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