開業ガイド

接骨院・整骨院の売上・損益シミュレーター【2026年版】

接骨院・整骨院の開業は、柔道整復師としての専門性を活かす大きな挑戦です。しかし、保険診療の単価固定や複雑なレセプト業務、厳格な広告規制など、独特の経営課題が伴います。本シミュレーターでは、療養費の受領委任払いによる売上構成、初期設備投資、人件費、広告宣伝費といった主要な収益・費用項目を具体的に設定し、黒字化に向けた現実的な事業計画策定を支援します。健全な経営基盤を築き、地域医療に貢献するための第一歩を踏み出しましょう。

※ 初期値は業界平均に基づく概算です。ご自身の計画に合わせて各項目の数値を変更してください。

月間売上

91万円

月間コスト

91万円

月間利益(利益率0%)

-273円

損益分岐点売上

86万円

接骨院・整骨院における損益分岐点は、固定費(家賃、減価償却費、人件費の一部など)と変動費(消耗品費、レセプト手数料など)の合計を、保険診療と自由診療それぞれの平均単価と施術回数で賄える点です。特に保険診療は単価が固定されているため、自由診療メニューの導入や物販による収益の多角化が、早期の黒字化と安定経営の鍵となります。月間の必要患者数や自由診療の割合をシミュレーションし、具体的な集客目標と施術計画を立てることが重要です。

売上項目

保険診療(療養費受領委任)36万円/月

健康保険、労災保険、自賠責保険に基づく施術費用。負傷部位数や施術内容により単価変動。

自由診療(自費メニュー)36万円/月

保険適用外の施術。例: 猫背矯正、骨盤矯正、EMSトレーニング、鍼灸治療(柔道整復師が鍼灸師免許も持つ場合)。

交通事故治療(自賠責保険)9万円/月

自賠責保険適用による施術。単価は保険会社との交渉や施術内容によるが、一般的に高め。

物販(健康器具・サプリ)6万円/月

患者の症状改善や健康維持に役立つサポーター、テーピング、健康食品、EMS機器等の販売。

スポーツ障害特化プログラム4万円/月

特定のスポーツ選手を対象とした、パフォーマンス向上や早期復帰を目指す専門プログラム。

コスト項目

固定費 売上に関係なく毎月発生変動費 売上に応じて変動準変動費 基本額+変動部分
家賃固定費
20万円/月

施術所の賃料。

円/月
人件費(柔道整復師・受付)固定費
45万円/月

院長給与、スタッフ(柔道整復師、受付)給与、社会保険料など。

円/月
レセプト代行・審査支払機関手数料変動費
273円/月

柔道整復師会への加入費、レセプト処理手数料、審査支払機関手数料。

自動計算(売上の0.03%)
消耗品費(衛生材料・備品)変動費
4万円/月

テーピング、湿布、消毒液、ペーパーシーツ、タオル、電気治療器のジェルなど。

円/月
水道光熱費準変動費
3万円/月

電気、ガス、水道料金。

円/月
広告宣伝費準変動費
5万円/月

Googleマイビジネス最適化、地域ポータルサイト掲載、チラシ、ウェブサイト維持費など。

円/月
通信費・システム利用料固定費
4万円/月

インターネット回線、電話、予約システム(EPARK接骨・鍼灸等)、レセコン、クラウド会計(freee等)利用料。

円/月
減価償却費(治療器械・内装)固定費
8万円/月

施術ベッド、低周波治療器、超音波治療器、内装工事費などの初期投資を複数年で償却。

円/月
旅費交通費変動費
1万円/月

研修会参加、往診、材料仕入れ等にかかる交通費。

円/月
雑費固定費
2万円/月

その他、消耗品以外の少額な経費。

円/月

業界ベンチマーク

保険診療比率

60〜80%

売上全体に占める保険診療の割合。自由診療導入で比率を下げるのが理想。

人件費率

30〜40%

売上に対する人件費(院長給与含む)の割合。

広告費率

5〜10%

売上に対する広告宣伝費の割合。開業初期は高めになる傾向。

レセプト請求期間

翌々月〜3ヶ月後入金

保険診療の請求から入金までの期間。キャッシュフローに影響。

リスク要因

  • 保険診療の単価改定(国が定める療養費の改定)による収益減。
  • レセプト請求不備や不正請求と見なされた場合の返戻・減額、行政指導リスク。
  • 競合院の増加や近隣クリニックとの差別化不足による患者獲得競争の激化。
  • 施術者の体調不良やスタッフ不足による施術対応能力の低下。
  • 交通事故治療やスポーツ障害の患者獲得が想定より進まないリスク。

プロのアドバイス

  • 保険診療の療養費受領委任払いは入金が2〜3ヶ月後になるため、開業当初の運転資金は最低6ヶ月分確保し、キャッシュフロー計画を綿密に立てるべし。
  • 柔道整復師法に基づく広告規制を厳守し、「効果効能」を謳いすぎず、施術所の名称、電話番号、施術時間、施術の種類(骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷)など、広告可能な範囲内で地域に特化した集客戦略(Googleマイビジネス活用や地域コミュニティとの連携)を展開すべし。
  • 自由診療メニュー導入は収益安定の要。猫背矯正、骨盤矯正、EMSトレーニングなど、患者ニーズの高い自費メニューを複数用意し、保険診療からのスムーズな移行・提案スキルを磨くべし。
  • レセプト業務は煩雑かつ請求漏れが経営に直結するため、レセコン導入は必須。柔道整復師会への加入も検討し、審査支払機関との連携や情報収集を怠らないべし。
  • 交通事故治療(自賠責保険)は単価が高いものの、保険会社との交渉や専門知識が必要。提携弁護士事務所や行政書士と連携し、患者が安心して通える体制を構築すべし。

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