開業ガイド

鍼灸院の売上・損益シミュレーター【2026年版】

鍼灸院の開業を成功させるためには、売上とコストの構造を正確に把握し、現実的な収益計画を立てることが不可欠です。本シミュレーターでは、自由診療を主軸としつつ、保険診療(療養費の受領委任払い)の特性も踏まえた鍼灸院ならではの売上項目と、ディスポーザブル鍼やもぐさといった消耗品費、厳しい広告規制下での集客費用など、特有のコスト項目を網羅。各項目のデフォルト値は2026年の業界動向を反映しており、あなたの理想の鍼灸院経営を実現するための具体的な指標を提供します。開業前の構想段階から、開業後の経営改善まで幅広くご活用ください。

※ 初期値は業界平均に基づく概算です。ご自身の計画に合わせて各項目の数値を変更してください。

月間売上

94万円

月間コスト

46万円

月間利益(利益率51%)

+48万円

損益分岐点売上

46万円

鍼灸院の損益分岐点は、固定費(家賃、人件費、システム利用料など)と変動費(鍼灸材料費、消耗品費など)の合計を、平均客単価から変動費率を差し引いた利益で割ることで算出されます。特に鍼灸院では、患者さんの「鍼が怖い」という心理的ハードルを乗り越え、リピート率を高めることが、固定費をカバーし安定した収益を確保する上で非常に重要です。自由診療の客単価向上と、効率的な集客・リピート施策が損益分岐点達成の鍵となります。

売上項目

一般鍼灸施術56万円/月

肩こり、腰痛、冷え性などに対する自由診療の鍼灸施術。

美容鍼施術24万円/月

顔のリフトアップや肌質改善などを目的とした美容特化の鍼施術。

保険診療施術2万円/月

神経痛、リウマチなど6疾患に限定される療養費の受領委任払い。

吸い玉・カッピング等オプション6万円/月

基本施術に加える吸い玉(カッピング)や延長施術などの追加料金。

自費物販3万円/月

自宅でのセルフケア用お灸、温熱シート、健康補助食品などの販売。

訪問鍼灸3万円/月

通院が困難な患者宅へ訪問して行う鍼灸施術。介護保険適用外。

コスト項目

固定費 売上に関係なく毎月発生変動費 売上に応じて変動準変動費 基本額+変動部分
家賃固定費
15万円/月

施術所の賃料。立地や広さにより大きく変動。

円/月
鍼・灸・衛生材料費変動費
754円/月

ディスポーザブル鍼、もぐさ、消毒液、手袋などの施術消耗品。

自動計算(売上の0.08%)
人件費(受付・助手)固定費
18万円/月

施術者以外のスタッフ(受付、助手など)への給与。

円/月
広告宣伝費固定費
5万円/月

Webサイト維持費、SNS広告、地域情報誌掲載、チラシ制作費など。

円/月
水道光熱費準変動費
3万円/月

電気、ガス、水道の料金。季節や施術時間、患者数により変動。

円/月
減価償却費固定費
3万円/月

施術ベッド、高周波治療器、内装工事費などの初期投資を償却する費用。

円/月
レセコン・POS利用料固定費
2万円/月

レセプトコンピューターやPOSシステム、予約システム(EPARK等)の月額利用料。

円/月
消耗品費(タオル・シーツ等)変動費
189円/月

患者用タオル、施術ベッドシーツ、ペーパータオル、トイレットペーパーなど。

自動計算(売上の0.02%)
研修費固定費
1万円/月

技術向上や新しい手技習得のための研修会、セミナー参加費用。

円/月
賠償責任保険料固定費
3,000円/月

施術中の事故やトラブルに備える賠償責任保険の年間費用を月割りしたもの。

円/月

業界ベンチマーク

鍼灸材料費率

売上高の5〜10%

ディスポーザブル鍼やもぐさなど、施術に必要な材料費が売上に占める割合。品質とコストのバランスが重要です。

広告宣伝費率

売上高の5〜10%

あはき法に基づく広告規制を遵守しつつ、WebサイトやSNS、地域情報誌などでの効果的な集客にかけた費用です。

人件費率(施術者除く)

売上高の15〜25%

受付や助手など、施術者以外のスタッフにかかる人件費の割合です。開業当初は施術者自身が兼任することも多いです。

家賃比率

売上高の10〜15%

施術所の家賃が売上に占める割合。立地や物件の広さによって大きく変動するため、慎重な検討が必要です。

客単価(自由診療)

7,000円〜15,000円

自由診療における患者一人あたりの平均単価。美容鍼やオプションメニューの導入で向上を目指せます。

リスク要因

  • 患者獲得の失敗: あはき法に基づく広告規制が厳しく、効果効能を謳いすぎると指導対象となるため、新規集客戦略が難航するリスク。
  • 保険診療の同意書取得難易度: 保険診療の主要な6疾患であっても医師の同意書が必須であり、医療機関との連携が不足すると保険診療売上が見込み通りに伸びないリスク。
  • 施術者の技術不足・患者満足度低下: 患者の症状改善が見られなかったり、施術中のコミュニケーション不足により、リピート率が低迷し、口コミ評価が悪化するリスク。
  • 衛生管理の不徹底: ディスポーザブル鍼の再利用や消毒滅菌の不備により、感染症リスクが高まり、保健所からの指導や営業停止処分を受けるリスク。
  • 競合激化と価格競争: 近隣に鍼灸院やリラクゼーション施設が増加し、価格競争に巻き込まれて客単価や収益性が低下するリスク。

プロのアドバイス

  • 「鍼は痛くない」という安心感を患者に与えるため、初回カウンセリングでは使用するディスポーザブル鍼の種類や施術の流れを丁寧に説明し、インフォームドコンセントを徹底すること。
  • 保険診療の療養費受領委任払いを利用する際は、神経痛、リウマチなど6疾患に限定されることや医師の同意書取得が必須であることを患者に明確に伝え、必要に応じて連携医療機関の紹介も視野に入れる。
  • あはき法に基づく広告規制(広告可能な事項の限定)を遵守しつつ、WebサイトやSNSでは、施術者の経歴、得意な症状、院内の雰囲気、衛生管理体制など、信頼性を高める情報を積極的に発信し集客に繋げる。
  • ディスポーザブル鍼やもぐさの仕入れは、セイリン、山正、ユニコといった複数業者から見積もりを取り、品質とコストパフォーマンスを比較検討することで、原価率を最適化する。
  • 美容鍼や吸い玉・カッピング、訪問鍼灸といった多様な自費メニューを開発し、患者のニーズに応じた選択肢を提供することで、客単価の向上と新たな顧客層の開拓を図る。

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