開業ガイド

保育園・託児所の売上・損益シミュレーター【2026年版】

保育園・託児所の開業は、地域の子育て支援に貢献するやりがいのある事業です。しかし、安定した運営には緻密な事業計画と収支シミュレーションが不可欠。特に認可外保育施設の場合、初期投資や保育士の人材確保、そして毎月の固定費が経営を左右します。このシミュレーターは、貴園の売上構成や主要コストを具体的に算出し、損益分岐点を明確にすることで、開業前から経営の全体像を把握し、持続可能な事業モデルを構築するための強力なツールとなります。2026年時点の市場動向や規制を反映した内容で、貴園の未来を具体的に描き出しましょう。

※ 初期値は業界平均に基づく概算です。ご自身の計画に合わせて各項目の数値を変更してください。

月間売上

140万円

月間コスト

275万円

月間利益(利益率-97%)

-1,353,750円

損益分岐点売上

313万円

黒字化まであと月 174万円 の売上が必要です

保育園・託児所における損益分岐点とは、基本保育料や延長保育料などの売上合計が、人件費、家賃、給食材料費、ICTシステム利用料といった全ての経費をちょうど賄える点です。特に、保育士の人件費や園舎の家賃といった固定費の割合が高いため、損益分岐点を超えるためには一定の園児数を確保し続けることが不可欠となります。シミュレーターで現状の損益分岐点を確認し、必要な園児数や料金設定、コスト削減の余地を具体的に洗い出すことで、開業後の安定経営に向けた具体的な目標設定が可能になります。定員充足率を意識した園児募集戦略が成功の鍵を握ります。

売上項目

基本保育料(標準時間)68万円/月

児童福祉法に基づく標準保育時間(最長11時間)利用の月額保育料。年齢や地域により設定。

基本保育料(短時間)38万円/月

児童福祉法に基づく短時間保育(最長8時間)利用の月額保育料。標準時間より低額。

延長保育料4万円/月

基本保育時間を超えて預かる場合の追加料金。30分単位や月額定額制など。

一時預かり保育料3万円/月

定期的な利用ではなく、必要な時に単発で預かるサービス。時間単位で料金設定。

給食・おやつ代22万円/月

園で提供する給食やおやつにかかる費用。実費徴収。

教材・施設維持費5万円/月

絵本や制作材料、施設維持に必要な費用の一部を実費徴収。

コスト項目

固定費 売上に関係なく毎月発生変動費 売上に応じて変動準変動費 基本額+変動部分
人件費(保育士・園長)固定費
150万円/月

保育士、園長、主任保育士など、児童福祉法や条例で定められた配置基準に基づく給与・賞与・社会保険料。

円/月
人件費(調理員・事務)固定費
35万円/月

給食提供に必要な調理員や、事務作業を行う職員の給与・賞与・社会保険料。

円/月
家賃・賃料固定費
30万円/月

園舎として利用する物件の月額賃料。立地や広さにより大きく変動。

円/月
給食材料費変動費
35万円/月

園児に提供する給食とおやつにかかる食材費。園児数に比例。

自動計算(売上の25%)
水道光熱費準変動費
8万円/月

電気、ガス、水道料金。季節や園児数によって変動するが、一定の基本料金あり。

円/月
消耗品費・教材費変動費
5万円/月

おむつ、トイレットペーパー、清掃用品、文房具、絵本、制作材料など。

円/月
ICTシステム利用料固定費
3万円/月

コドモン、ルクミーなどの保育園運営支援システム、登降園管理システムの月額利用料。

円/月
各種保険料固定費
3万円/月

施設賠償責任保険、火災保険、園児傷害保険など。万一の事故に備える。

円/月
施設維持・修繕費固定費
2万円/月

遊具の点検・修繕、建物設備の保守点検費用。突発的な修繕も発生。

円/月
清掃・警備委託費固定費
4万円/月

専門業者による園内の清掃や防犯カメラ・警備システムの月額費用。

円/月
許認可申請・届出費用固定費
5,000円/月

認可外保育施設設置届出後の定期報告や、児童福祉法関連の各種届出にかかる行政手数料。弁護士・行政書士費用。

円/月

業界ベンチマーク

人件費率(売上比)

50〜60%

園の総売上に対する人件費の割合。保育士の配置基準や給与水準に大きく左右される。

給食原価率(給食費売上比)

25〜30%

給食費の売上に対する食材費の割合。安全で質の高い食事提供と収益性のバランスが重要。

定員充足率

80〜95%

定員に対する在籍園児数の割合。安定経営の重要な指標であり、園児募集の成果を示す。

固定費比率

70〜80%

売上に対する家賃、人件費など固定的に発生する費用の割合。高すぎると経営が硬直化しやすい。

リスク要因

  • 保育士不足と離職率の高さ: 恒常的な保育士不足により、採用コスト増、既存職員の負担増、最悪の場合、配置基準を満たせず開園できないリスク。
  • 行政指導・基準変更リスク: 児童福祉法や自治体条例の改正、または指導監督基準の強化により、施設改修や運営体制の見直しを迫られる可能性。
  • 感染症集団発生リスク: ノロウイルスやインフルエンザなどの集団感染が発生した場合、臨時休園による売上減少、保護者からの信頼失墜、風評被害に繋がるリスク。
  • 少子化による定員割れ: 地域全体の少子化進行や、近隣に新規開園する競合施設の影響で、園児募集が困難になり、定員割れが常態化するリスク。

プロのアドバイス

  • 保育士確保は開園の生命線。近隣施設の給与水準調査に加え、住宅手当や研修制度、ICT導入による業務負担軽減策を具体的に提示し、求職者へのアピール力を高めましょう。特に、潜在保育士の掘り起こしには「ブランク支援研修」が有効です。
  • 認可外保育施設であっても、児童福祉法に基づく設置届出は必須。さらに、自治体独自の指導監督基準や条例(例: 東京都の指導監督基準)がある場合が多く、これらをクリアする施設設計や運営体制が求められます。事前に行政との綿密な協議を重ね、開業後のトラブルを回避しましょう。
  • 園児募集は「地域ニーズの把握」から。近隣の待機児童数、共働き世帯の割合、保護者の求める保育時間やサービス(例: 病児保育、習い事併設)をリサーチし、ターゲット層に響く独自の保育カリキュラムや特色(例: 英語教育、モンテッソーリ教育)を打ち出しましょう。
  • 感染症対策は最重要課題。ノロウイルス、インフルエンザなどの集団感染を防ぐための衛生管理マニュアル作成、定期的な消毒、手洗い・うがいの徹底指導はもちろん、感染者発生時の保護者への迅速な情報共有体制(ICTシステム活用)を構築することが保護者からの信頼獲得に繋がります。
  • 給食提供は単なる食事ではなく、食育の場。アレルギー対応食の徹底はもちろん、地元の旬の食材を取り入れる、調理過程を見せる食育イベントを実施するなど、安全・安心に加えて「食の楽しさ」を伝える工夫が、園の魅力向上に直結します。

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