開業ガイド

電気工事業の売上・損益シミュレーター【2026年版】

電気工事業での独立は、安定した元請け業務の獲得と初期投資の回収が鍵です。このシミュレーターは、幹線工事や分電盤設置、EV充電設備工事といった主要な売上項目から、高所作業車・絶縁抵抗計などの初期費用、更には電気工事業登録や電気主任技術者外部委託といった特有のコストまでを網羅。あなたの事業計画を財務面から具体的にサポートし、下請け依存から脱却し、安定した収益基盤を築くための第一歩を支援します。

※ 初期値は業界平均に基づく概算です。ご自身の計画に合わせて各項目の数値を変更してください。

月間売上

242万円

月間コスト

166万円

月間利益(利益率31%)

+76万円

損益分岐点売上

125万円

電気工事業における損益分岐点とは、幹線工事、分電盤設置、EV充電設備設置などの売上合計が、事務所家賃、車両リース料、人件費といった固定費と、資材費や燃料費といった変動費の合計と同額になる売上高を指します。特に、高所作業車や絶縁抵抗計などの高額な初期設備投資を早期に回収し、元請け案件での安定した受注を確保することが、損益分岐点を超えるための重要な要素となります。損益分岐点を超過すれば、それ以降の売上は利益に直結します。

売上項目

幹線工事80万円/月

商業施設や工場における電源幹線設備の設計・施工。

分電盤・制御盤設置45万円/月

住宅や小規模店舗における分電盤、工場における制御盤の設置・交換。

EV充電設備設置50万円/月

EV(電気自動車)充電設備の新規設置工事。

接地工事(D種接地など)32万円/月

電気設備の安全確保のための接地工事(D種接地、C種接地など)。

保守・点検契約15万円/月

定期的な電気設備点検、軽微な修繕作業。

LED照明設置・交換20万円/月

オフィスや店舗、工場におけるLED照明への交換工事。

コスト項目

固定費 売上に関係なく毎月発生変動費 売上に応じて変動準変動費 基本額+変動部分
人件費(従業員)固定費
40万円/月

電気工事士などの従業員給与、社会保険料。

円/月
資材費変動費
73万円/月

VVFケーブル、PF管、ブレーカー、分電盤などの材料費。

自動計算(売上の30%)
車両リース料固定費
15万円/月

高所作業車、資材運搬用トラックなどのリース費用。

円/月
事務所・倉庫家賃固定費
10万円/月

資材保管や事務作業を行うための事務所・倉庫の家賃。

円/月
工具・測定器償却費固定費
5万円/月

絶縁抵抗計、接地抵抗計、圧着工具などの初期投資費用を月割計算。

円/月
燃料費・車両維持費変動費
12万円/月

現場移動に伴うガソリン代、車両のメンテナンス費用。

自動計算(売上の5%)
広告宣伝費固定費
5万円/月

建設業マッチングサイト(ツクリンク)利用料、Webサイト制作・運用費。

円/月
損害賠償保険料固定費
2万円/月

万が一の事故に備えるための損害賠償保険料(請負業者賠償責任保険など)。

円/月
電気主任技術者外部委託費固定費
3万円/月

電気事業法に基づき、高圧受電設備保安管理業務を外部委託する場合の費用。

円/月
現場管理・会計ソフト費用固定費
2万円/月

ANDPAD、ダンドリワーク等の現場管理アプリやfreee会計などのクラウド会計ソフト利用料。

円/月

業界ベンチマーク

粗利率

25%〜40%

売上高から資材費・外注費を差し引いた利益の割合。元請け比率が高まると改善傾向。

販管費率

15%〜25%

人件費、家賃、広告費などが売上高に占める割合。固定費のコントロールが重要。

一人当たり売上高

月額80万円〜120万円

従業員一人あたりが月に生み出す売上高。生産性の指標。

設備投資回収期間

3年〜5年

高所作業車や測定器などの初期投資を回収するまでの期間。

リスク要因

  • 資材価格の変動リスク:VVFケーブルや銅線などの主要資材価格が国際情勢により高騰し、見積もりと実費に乖離が生じる。
  • 高所作業や感電事故のリスク:安全管理体制が不十分な場合、重大な労働災害に繋がり、事業継続に影響を及ぼす可能性がある。
  • 電気工事士不足と人件費高騰:熟練の電気工事士の確保が困難になり、人件費が高騰することで利益率を圧迫する。
  • 法規制・技術基準の変更:電気工事業法、電気用品安全法、電気事業法などの改正や、技術基準の変更への対応が遅れるリスク。
  • 元請け依存からの脱却失敗:下請けからの脱却を目指すも、新規顧客開拓や営業戦略が機能せず、依然として元請けからの受注に依存するリスク。

プロのアドバイス

  • 電気工事業登録(経済産業大臣または都道府県知事)は必須です。開業前に「みなし登録電気工事業者」ではなく、適切な登録種別を確認し、申請書類(主任電気工事士の専任証明など)を完璧に準備してください。
  • 元請け案件獲得のため、建設業マッチングサイト(ツクリンクなど)の活用と、自社の強み(高圧受電設備工事の実績、EV充電設備設置の専門性など)を明確にした営業資料を作成し、地域の中小企業や工務店に直接アプローチしましょう。
  • 高所作業車や絶縁抵抗計、接地抵抗計といった初期投資は高額ですが、車両リース(オリックス、住友三井オートサービス)や中古品導入、または初期はレンタルで対応するなど、キャッシュフローを圧迫しないよう工夫してください。
  • 電気工事士法に基づく適切な資格保有はもちろん、高圧受電設備保安管理業務を請け負う場合は、電気事業法に基づき経済産業省への外部委託承認申請や、経験豊富な電気主任技術者との連携体制を構築することが信頼に繋がります。
  • 現場管理にはANDPADやダンドリワークといったアプリを導入し、進捗状況、資材発注、安全衛生管理(墜落制止用器具の点検記録など)を一元管理することで、効率化とトラブル防止を図りましょう。

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