有料老人ホームの売上・損益シミュレーター【2026年版】
有料老人ホームの開業は、多額の初期投資と複雑な収益構造を伴います。本シミュレーターは、介護保険給付費、入居一時金償却、自費サービス売上といった収入源と、人件費、地代家賃、減価償却費などの固定費・変動費を詳細に分析。将来の収益性を可視化し、安定した施設運営に向けた具体的な事業計画策定を支援します。入居率90%達成時の損益分岐点も試算可能で、事業の実現可能性を多角的に評価できます。
※ 初期値は業界平均に基づく概算です。ご自身の計画に合わせて各項目の数値を変更してください。
月間売上
1,425万円
月間コスト
1,374万円
月間利益(利益率4%)
+51万円
損益分岐点売上
1,294万円
有料老人ホームの損益分岐点は、介護保険給付費、居住費、食費、共益費、自費サービス売上といった総収入が、人件費、地代家賃、給食委託費、医療連携費、減価償却費などの総費用と等しくなる点です。特に高額な固定費を多く抱えるため、損益分岐点を超えるには高い入居率が不可欠となります。入居一時金の償却額も損益に影響を与えるため、償却期間や初期償却率の計画も重要です。シミュレーターで入居率を変動させ、何人以上で黒字化するかを把握し、具体的な入居者募集戦略を立てましょう。
売上項目
特定施設入居者生活介護の基本サービス費や各種加算(看取り介護加算、医療連携体制加算など)を合算した国保連からの給付。
施設の居室利用に対する費用。非課税。
施設で提供される食事の費用。課税対象。
共用施設の維持管理、光熱水費、清掃費等に充てる費用。
入居時に徴収する一時金のうち、契約期間に応じて償却される費用。会計処理に注意。
介護保険適用外の個別サービス(外出付き添い、居室清掃、買い物代行、医療機関送迎など)の売上。
施設内の売店や喫茶スペースでの物品販売・飲食提供による売上。
コスト項目
介護士、看護師、生活相談員、ケアマネジャー、調理員、事務員などの給与、賞与、社会保険料、法定福利費。
土地・建物賃借料、または医療機器・介護機器等のリース料。自己所有の場合は減価償却費に計上。
給食を自社調理する場合の材料費、または給食委託会社への支払い費用。
施設の水道代、電気代、ガス代。規模や季節で変動。
介護用品(おむつ、手袋)、清掃用品、事務用品、衛生用品など。
協力医療機関との連携協定に基づく費用、嘱託医への報酬、緊急時対応費など。
入居者募集サイト掲載料(LIFULL介護、みんなの介護)、パンフレット制作、見学会開催費用。
建物・設備の定期点検、エレベーター保守、消防設備点検、突発的な修繕費用。
建物や設備投資にかかった費用を法定耐用年数に応じて費用計上する会計上の費用。キャッシュアウトは伴わない。
火災保険、賠償責任保険、固定資産税、事業所税など。
経営コンサルタント、税理士、社会保険労務士などへの報酬。
少額で区分しにくい費用、突発的な出費。
業界ベンチマーク
入居率
90%以上
安定経営には最低90%以上の入居率が目標。新規入居者の確保と退去抑制が重要。
人件費率
売上高の50〜65%
介護報酬改定や最低賃金の影響を受けやすい。効率的な人員配置が求められる。
初期償却率
0〜30%
入居一時金における初期償却の割合。高いと早期に回収できるが、入居者への説明責任が増す。老人福祉法で規定。
介護職員1人あたりの利用者数
3:1または2.5:1
特定施設入居者生活介護の配置基準。人員体制加算取得にはさらなる手厚い配置が必要。
自費サービス売上比率
総売上の5〜15%
介護保険外の収益源として重要。入居者のニーズに合わせた多様なサービス提供で向上。
リスク要因
- 介護保険制度改定による介護報酬の減額や、加算要件の厳格化。特に3年に一度の改定は経営に直結するため、常に情報収集と対応策の検討が必要です。
- 入居率の低迷。周辺競合施設の増加、少子高齢化による入居者減少、施設の評判低下などにより、損益分岐点を割るリスクがあります。特に開設初期の入居者確保が重要です。
- 人件費の高騰。介護職員の有効求人倍率は高く、慢性的な人材不足が続いています。最低賃金の上昇や処遇改善加算の要件変更により、人件費が想定以上に増加する可能性があります。
- 突発的な大規模修繕費用。建物や設備の老朽化に伴い、想定外の高額な修繕が必要となるリスク。計画的な修繕積立金の確保が重要です。
- 感染症や災害による事業継続リスク。新型コロナウイルスのような感染症の蔓延や、地震・水害などの自然災害により、サービス提供が困難になったり、入居者が減少したりするリスクがあります。BCP(事業継続計画)策定と訓練が必須です。
プロのアドバイス
- 介護保険外サービスは、単なる収益源ではなく、入居者のQOL向上と差別化の鍵です。個別リハビリ、外出支援、看取り期の精神的ケアなど、ニーズを深掘りし、付加価値の高いサービスを有料で提供する体制を構築しましょう。例えば、月額3万円の個別リハビリプランを10名に提供できれば、年間360万円の追加収益です。
- 初期投資回収の要である入居一時金は、老人福祉法に基づく保全措置(家賃債務保証、信託契約など)が義務付けられています。契約内容や償却期間、初期償却率を明確にし、入居者への丁寧な説明と、会計処理における適正な償却計画を徹底してください。特に初期償却率が高すぎるとトラブルの元になります。
- 人材確保と定着は、有料老人ホーム運営における最大の課題です。介護職員処遇改善加算や特定処遇改善加算を最大限に活用し、給与水準を地域トップクラスに引き上げるだけでなく、OJT制度の充実、資格取得支援、キャリアパスの明確化で離職率を抑制しましょう。月額2万円の加算を全職員に支給するだけでも、年間で大きな費用となりますが、安定したサービス提供には不可欠です。
- 医療連携は、入居者の安心だけでなく、医療連携体制加算取得による収益増にも繋がります。協力医療機関との連携協定だけでなく、緊急時の対応フロー、看取り期の医療的ケアに関する情報共有体制を具体的に整備し、地域包括ケアシステムの一員としての役割を強化してください。訪問看護ステーションとの連携も有効です。
- 入居者募集は、LIFULL介護やみんなの介護などのポータルサイト活用に加え、地域連携が重要です。病院の地域連携室、居宅介護支援事業所、地域包括支援センターへの定期的な訪問と情報提供、見学会の頻繁な開催、体験入居プログラムの提供を通じて、信頼関係を構築し、見込み客の獲得に繋げましょう。特にケアマネジャーとの関係性が重要です。
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