開業ガイド

Web制作会社の売上・損益シミュレーター【2026年版】

競合ひしめくWeb制作市場。安定した事業基盤を築くには、綿密な売上・コスト計画が欠かせません。このシミュレーターは、新規Webサイト制作、リニューアル案件、保守運用契約、SEOコンサルティングといった主要な収益源を洗い出し、外注費、人件費、デザインツール利用料などの支出項目を具体的に設定します。開業後の損益分岐点や収益性を予測できるため、個人事業主から法人設立まで、規模に応じた計画立案に役立つはずです。

※ 初期値は業界平均に基づく概算です。ご自身の計画に合わせて各項目の数値を変更してください。

月間売上

84万円

月間コスト

46万円

月間利益(利益率45%)

+38万円

損益分岐点売上

44万円

Web制作会社の損益分岐点は、固定費(家賃、人件費、デザインツール費など)と変動費(外注費、広告宣伝費など)の合計を、案件ごとの粗利額でカバーできる売上高で算出されます。例えば、月間の固定費が50万円、平均粗利率が50%の場合、損益分岐売上高は100万円となります。安定した経営のためには、保守・運用契約などの継続的な売上を確保し、変動費率をコントロールすることが肝要です。特に、新規顧客獲得コスト(CAC)と顧客生涯価値(LTV)のバランスを意識した計画が求められます。

売上項目

Webサイト制作(新規)30万円/月

中小企業やスタートアップからの新規Webサイト構築案件。デザイン、コーディング、CMS(WordPress等)導入まで一式。

Webサイトリニューアル24万円/月

既存サイトのUI/UX改善、レスポンシブデザイン対応、機能追加、CMS移行など。

保守・運用契約9万円/月

納品後のサーバー管理、CMSアップデート、簡易なコンテンツ更新、セキュリティ対策など月額契約。

SEO/MEOコンサルティング8万円/月

検索エンジン上位表示のためのキーワード選定、内部対策、コンテンツ提案、Googleビジネスプロフィール最適化など。

コンテンツ制作代行10万円/月

Webサイト掲載用のブログ記事、LP(ランディングページ)ライティング、動画編集、イラスト制作など。

Web広告運用代行3万円/月

Google広告、Yahoo!広告、SNS広告などの運用代行。広告費の20%を手数料とするケースが多い。

コスト項目

固定費 売上に関係なく毎月発生変動費 売上に応じて変動準変動費 基本額+変動部分
人件費(固定給)固定費
35万円/月

代表者自身の給与、従業員を雇用する場合の固定給。

円/月
外注費変動費
2,088円/月

コーディング、デザイン、ライティング、写真撮影など、案件ごとに外部のフリーランスや制作会社に依頼する費用。

自動計算(売上の0.25%)
オフィス家賃固定費
5万円/月

コワーキングスペース利用料、バーチャルオフィス契約料、または事務所の賃料。

円/月
デザインツール利用料固定費
1万円/月

Adobe Creative Cloud、Figma、Sketchなどのサブスクリプション費用。

円/月
サーバー・ドメイン維持費固定費
5,000円/月

自社サイトおよび顧客サイトのホスティングサービス(Xserver, ConoHa WING等)費用、ドメイン更新料。

円/月
クラウドサービス利用料固定費
8,000円/月

プロジェクト管理ツール(Backlog, Jira)、クラウド会計(freee, マネーフォワード)、請求書発行システム(MakeLeaps)などの月額費用。

円/月
通信費固定費
2万円/月

インターネット回線費用、携帯電話料金。

円/月
広告宣伝費変動費
418円/月

リスティング広告、SNS広告、業界誌への掲載、Webサイト制作関連イベント出展費用など。

自動計算(売上の0.05%)
交通費・交際費変動費
1万円/月

顧客との打ち合わせ、セミナー参加、営業活動に伴う交通費や飲食代。

円/月
研修・書籍費固定費
5,000円/月

最新のWeb技術(JavaScriptフレームワーク、CMSトレンド、SEOアルゴリズム)のキャッチアップのためのセミナー受講料や専門書籍購入費。

円/月

業界ベンチマーク

外注費率

売上高の20〜35%

Web制作会社において、デザインやコーディング、ライティングなどを外部に委託する割合。内製化を進めるほどこの比率は下がるが、専門性確保のため一定の外注は必要。

粗利益率

40〜60%

売上高から外注費や材料費(サーバー代など)を差し引いた利益の割合。この数字が高いほど、案件ごとの収益性が高いと言える。

人件費率

売上高の25〜40%

代表者自身の報酬や従業員の給与が売上高に占める割合。業務の効率化や単価アップでこの比率を適正に保つことが重要。

営業利益率

10〜20%

Web制作業界全体での一般的な目安。この水準を維持できれば、持続的な事業成長が見込める。

リスク要因

  • **価格競争の激化**: フリーランスやクラウドソーシングサービスによる安価な提供が増え、単価下落圧力が高い。
  • **技術トレンドの陳腐化**: UI/UXデザイン、CMS、フロントエンド技術、SEOアルゴリズムなどが高速で進化するため、常に最新技術をキャッチアップするための学習コストと時間がかかる。
  • **スコープクリープ(要件の肥大化)**: 顧客の漠然とした要望や、プロジェクト進行中の追加・変更要求により、当初の予算や納期を超過し、採算が悪化するリスク。
  • **保守・運用契約の不足**: スポット案件に依存し、継続的な収益源が確保できない場合、経営が不安定になる。
  • **個人情報保護法・下請法違反**: 顧客情報やサイト訪問者の個人情報管理の不備、または発注元との不適切な契約関係により、法的責任を問われるリスク。

プロのアドバイス

  • 新規サイト制作だけでは不十分。月額の保守・運用契約(M&O)で安定収益源を確保し、LTVを最大化。WordPressのアップデートやセキュリティ監視は、顧客にとって欠かせない。
  • 価格競争からの脱却を。制作に留まらず、SEO対策、コンテンツマーケティング、SNS運用代行など、顧客のWeb戦略全体を支援するコンサルティング機能で、高単価案件を狙う。
  • ノーコード・ローコードツール(STUDIO, Webflow, Shopifyなど)の導入は、開発工数削減の鍵。制作コストを抑え、より多くの案件を効率よく回せる体制を構築する。
  • 要件定義フェーズでのヒアリングは入念に。ワイヤーフレームやモックアップを早期に共有し、顧客との認識齟齬を防ぐ。手戻りによる追加コストや納期遅延のリスクを最小限に。
  • インボイス制度対応は当然。大手企業からの受注では、下請法の適用も確認。契約書の内容を細部までチェックし、個人情報保護法に基づく顧客情報管理で法的リスクを回避する。

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